天才詐欺師?
かなり煽りが入ったタイトルですが…
これは、ダン・ケネディがマーケティング仲間に伝えたくてしょうがなかった、ニュースレターで伝えたくてうずうずした、という、この天才詐欺師?と言われたブリンクリー博士のマーケティング術の話です。
読み物としても面白い本でしたが、これはマーケティングの本。
しかも、現代でも利用できるものがギュッとつまったおススメの本です。
ただ勘違いしてほしくないのは、詐欺まがいのことをしろ!と言うのではなく、そのマーケティング術には学ぶべきものが多いということです。
この本はダン・ケネディとチップ・ケスラーの共著になります。
チップ・ケスラーは、ブリンクリー博士の子孫の女性と結婚した男性で、自身もダン・ケネディのグレイザー・ケネディ・インサイダーサークルのメンバーでもあるマーケターです。
身内の情報を手にしたダン・ケネディが、ブリンクリーから得たマーケティングの21の原則を伝えている究極の本が、【天才詐欺師のマーケティング心理技術】です。
天才詐欺師はどんな詐欺をした?それは男性の感情に強く訴えるものだった・・・
まず、ブリンクリー博士は医者であるということを伝えておきます。
ですが、正確には金儲けしか関心がないマーケターです。効率的なマーケティングをするために、医者という権威性を手にしたとも言える、風変わりな人物。
つまり「医者」という名声と信用を利用して、金儲けを考えた人物と言えると思います。
ですから、医者というよりはマーケターと思って読む方が良いですね。
ブリンクリー博士が目を付けたのは、男性の痛み、悩みという、強い感情を引き起こす分野でした。
それは何だと思いますか?
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それは男性の勃起障害の治療です。
私は女性なので、どの程度男性の感情を動かすものなのかはわからないのですが、確かな需要がある分野なんでしょうね。
しかも、ブリンクリー博士の治療は常軌を逸したものでした。
それでも、手術を受けて喜びの声をあげる患者もいれば、それが口コミになり、同じ痛みや悩みを持つ方の心にも届いていきます。
このようにしてブリンクリ―博士は名声を高めていきます。
実際、ブリンクリー博士の手術を受けるために、多くの男性が旅費と日数をかけてブリンクリー博士の病院を訪れたのです。
ここが天才と言われるマーケティングのセンスですね。
メディア戦略も「権威性」を高める戦術
メディアと聞いて思い浮かぶのがダン・ケネディの3Mです。
ダイレクト出版のマニアのあなたなら、よくご存じでしょう!
- 正しいマーケット
- 正しいメッセージ
- 正しいメディア
ブリンクリー博士はこの点も抜け目ない。
ブリンクリー博士のターゲットは、男性機能というニッチな層です。
しかし、博士は口コミでマーケットを広げるのには限界があることに気付き、自分の声を増殖するためにラジオ局を買収して、自分の医学的見地を述べて、権威性を高めることをするのです。
現代でも、露出度の高い医師は、知名度も高まるし、私達テレビに出るくらいなのだから、本を出すくらいなのだから、と信用するようになりますよね?
それと同じで、ブリンクリー博士はラジオを通じて自分を露出し、権威性を高め、アメリカ全土に自分の存在を知ってもらうようにしました。
ターゲットは絞りつつ、マーケットは広く、上手にメディアを使うということですね。
これは現在でも活きるマーケティング手法ですよね?
あなたは自分の居場所がわかっていますか?
最後に、私が最も印象に残ったパートを紹介します。
それは「あなたが本領を発揮する場所はどこですか?」ということ。
ダン・ケネディは、活字の世界が居場所と言い切ります。
講演もするけど、あまり得意ではないと書いているのが意外といえば意外でした。
自分の居場所を決めたら、次は能力をあげるように努力をするのみ。
とてもシンプルですよね。
ダン・ケネディは今でも一日一冊本を読む習慣を続けているんだそうです。ダン・ケネディが億万長者メーカーと言われるのも、こうした豊富な読書量があるからなのでしょう。
たくさんの引き出しをつくり、その人に合ったものを瞬時に引きだす処理能力を努力して高めてきたのです。
この姿勢は尊敬すべき姿勢であり、自分の甘さを痛感させられました。
成功者が浴びている情報量というのは、一般人とは比較にならないくらいに多くて、読書の量も驚くほどなのでしょうね。
自分の居場所を特定し、その努力を怠らないという姿勢は、ぜひ、これからの若い人には絶対身につけて欲しい姿勢です。
人と同じく平均的に・・・から脱して欲しい願いも込めて!
読書一つにとっても、きれいに読み切って読書!という日本人は多いと思いませんか?
でも、本当は、読書も実践するために読まないと意味がない。
日本人は読み切ることが目的になって、使うために読んでいないことが多いですよね。この辺は意識を変える必要があると思います。
この天才詐欺師のマーケティングの心理技術は使うための本です。
折ったり、メモしたり、線を引いたりして、血肉していく本です。ぜひ、この強烈な他のマーケティング原則も読んでいただきたいです。
原理原則はいつの時代も変わらず使えます。
詐欺と言われれば詐欺だけど、だからこそわかりやすくもあると思います。
まとめ
- 詐欺師?と謳っているけど、これはマーケティングの原則を語る本である
- 詐欺師と言われたブリンクリ―博士から学ぶ21のマーケティング原則が学べる
- この21のマーケティング原則は現在も色あせたものではなく、むしろ使えるものが多いモノであること
これが、この本から得た感想です。
これは最初は月刊ビジネス選書でしか読むことができなかった本ですが、この度一般販売されました。
ぜひ、一般販売となったこの機会に手に取ってみてください。
かなり面白かったです、個人的には。
出典 ダイレクト出版株式会社