悪用厳禁、カルト教団で少年時代を過ごした、など、かなり衝撃を与えるコトバが並べ立てられている本がデイブ・ラクハニの【説得の心理技術】。
興味をひかれるのと同時にちょっと怖さを感じました。
洗脳とは何もカルト教団に限ったことだけではなく、習慣から植え付けられた常識の洗脳もあります。あなたが気付かないところで実は【操作】されていることもあるということ。
その洗脳や操作に引っかからないようにするには、彼らが使う操作のプロセスである方法を自分で勉強し理解することです。
そうすれば、あなたの視界が広がり物事を客観的に観ることができるようになりますし、操作される側から操作する側に回れます。この操作するというのは、相手を操作するという意味ではなく、自分が操作されないように自分を操作するということです。
私は一週間で二回読みました。
できれば、実践することを前提にして、これを実践してみよう!という視点で読むのがオススメです。
では、レビューします。
目次
カルト教団はどのように説得して洗脳していくのか?
カルト教団はどのように説得して信者を集めているのか?
カルト教団も人を集めるビジネスです。彼らの洗脳技術、相手を納得させるプロセスというのをビジネスに悪用してはいけないけど、そこには人の心理がありますよね。
私はとても興味がありました。
その手口の箇所は、タイトルの割には意外にサラッと書かれており、意識していなければ、読み流していたかもしれません。
カルト教団が信者になるよう説得する手順というのは、食事に誘って、礼拝に誘ってというシンプルなものでした。
これを読んで、MLMと同じだな・・と私は思いましたね。MLMとはネットワークビジネスです。みんなに嫌われるネットワークビジネスですね。
MLMも一つの洗脳です。
宗教とは違うけど、中に入れば入るほど教祖と信者の関係に見えて来て、気持ち悪さを感じました。
MLMの契約に至らせる手順も実は全く同じ。
まずは、気軽に食事を楽しんで、親近感から関係を構築していきます。そして、セミナーに誘ったり、アップという自分の上にいる方に合わせたりして、最終的に契約に至らせるプロセス。
正直、このやり方はもう時代遅れ・・・と私は感じていますが、でも、否定はしません。
教祖のような指導者、メンターの存在はマインド面ではとても重要でもありますから。
心の指針となるような方は必要と思っています。
ダイレクト出版も説得の心理技術を実践している
本書はかなり内容が多岐に渡っていて、ボリュームがあります。
なので、自分が実践する時に、そのパートパートで読み返すのがオススメです。
そうでないと自分の中で整理が追いつかなくなります。
私は2度目に読んだときは、ダイレクト出版はこの説得の技術を使っているか?という視点で読んでみました。
その視点での感想は、
『企業秘密を明かすことになって、紹介するのが嫌な本だったのではないのかな』
でした。それだけ、使っていること技術が多いということです。
勿論こうした技術的な部分も多数あるんですけど、私が一番重きを置いたのは、この技術を使う人の意思の部分です。
著者は、説得と操作の違いを以下のように言っています。
【操作】とは、自分に有利なように働きかけるものであるから、その効果は長続きせず、後々恨まれることも少なくない。
一方【説得】は、お互いにとって良いことで、その関係は永続し、より影響を与えていくことができるもの。
そして、自分が操作を選ぶのか、説得を選ぶのかは、本人の意思であると。
ダイレクト出版は、新規に顧客を集めることにも積極的だけど、既存の顧客との関係を永続的に保つことを大切にしていますよね。その姿勢が見えます。
簡単に言えば、ファンを大切にしているということですね。
質の悪い高額商品を売って終わりという人もインターネット界ではまだ多いです。
その辺を比較するとわかりやすいのではないでしょうか?
あなたのビジネスに活かす前提で読むこと、育児に活かす前提で読むことがおススメ♪
この本は何もビジネスをしている人、セールスをしている人にばかり向くものではありません。
人を導く立場にある人、できれば、私のような母親のような方にも読んでいただきたい。
かなりの内容を詰め込んだ、ボリュームの大きい内容になっているので、自分に当てはまらない部分も多いと感じるかもしれません。
ですから、自分が実践するところを抜き取る読み方をして、行動に起こすのが効果的だと思いますよ。
読んで終わりの本では決してありませんよ。
私が母親の方にもオススメしたいという理由は、子供に与える影響力は母親が一番強いと思えるからでして、親子の信頼関係は永続的なものである必要があって、自分の思い通りに子供を操作することではありませんよね。
ただ、いろんな親子をみているとね、結構、操作してるよな〜と思える方、多いですよ。
悪いことに、それを本人は無自覚でやっているから気付きようがない。
だからね、その部分を自分自身の意識に上げるためにも、この本を読んで、自分が操作に傾いていないかを振り返るきっかけにして欲しいと私は思っています。
一度読んで、自分の潜在意識に入れてしまえば、それを引き出しから出すことも可能になります。
熟読、精読でなくても読んでおくことをオススメします。
まとめ
最後に記事の内容の要点をまとめておきますので、参考にしてみてください。
- カルト教団が信者になるよう説得する手順というのは、食事に誘う、礼拝に誘うというシンプルなもの
- 操作は自分が有利な方に動かすこと。説得とはお互いにとって良い方向に動かすこと
- 母親は子供に対して一番大きな影響を与える存在なので、子供を操作しないためにもぜひ読んでいただきたいこと
を伝えてきました。
あとがき
あなたは宗教に対してどのようなイメージを持っているでしょうか?
私は絶対洗脳されないと思っているのでしょうか?
それとも、怖さを感じているのでしょうか?
日本人は諸外国に比べて神を拠り所とする信教は弱いと言えるかもしれません。
しかし、心が弱っている時に信じるものがあるのは救いにもなり、心にも平穏をもたらしてくれます。
実は、私の兄もある宗教の信者であり、熱心な信者でもあるので、ちょっとは自分のことのようにも感じられました。
兄を脱会させようと、両親、親戚が一生懸命だったのも私はそばで見てきましたから、私の宗教に対する思いは正直複雑です。
だから、この本を読むのは最初は正直怖さが先に立ちました。
でもね、読んでみて正解でした。怖いことに立ち向かうにはまず「知ること」。そうすれば、怖いものではなくなりますから。
もし、あなたが怖さを感じているのなら、この本があなたの壁を壊してくれるかもしれません。
出典 ダイレクト出版株式会社
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